屋上やベランダの改修工事で多く採用されている「ウレタン密着防水」。既存下地を活かしながら施工できる合理的な工法です。本記事では、サラセーヌ仕様における施工の流れと、実際に使用する代表的な材料について整理します。


ウレタン密着防水の概要

ウレタン密着防水は、下地にプライマーを塗布し、その上にウレタン防水材を積層して防水層を形成する工法です。

主な特徴

  • 継ぎ目のないシームレスな防水層
  • 複雑な形状にも追従
  • 既存防水層を活かした改修が可能
  • 軽量で建物負担が小さい

ただし、密着工法は下地の状態に強く依存するため、下地処理の精度が重要になります。

既存のベランダ床がFRP・ウレタン防水などのリフォームで使用される工法と商品です。

ベランダ床「トップコート」と「ウレタン密着防水」の違いと耐用年数

ベランダのメンテナンスにおいて、「トップコート塗替え」と「ウレタン密着防水」は混同されがちですが、役割も施工内容も全く異なります。ここでは、それぞれの違いと期待耐用年数を整理します。


トップコートとは

トップコートは、防水層の保護を目的とした仕上げ材です。

主な役割

  • 紫外線(UV)から防水層を保護
  • 摩耗や劣化の抑制
  • 美観の維持

防水機能そのものを担うものではなく、あくまで既存の防水層を延命させるための表面保護材です。


ウレタン密着防水とは

ウレタン密着防水は、防水機能そのものを形成する工事です。

主な役割

  • 雨水の侵入を防ぐ防水層の構築
  • 下地に密着したシームレスな膜を形成
  • クラックや微細な動きに追従

既存防水が劣化している場合や、防水性能が不足している場合に実施します。


両者の違い(要点比較)

項目トップコートウレタン密着防水
目的保護・美観防水機能の確保
防水性能なし(補助的)あり(主機能)
工事規模軽微中〜大規模
費用2.5万円~3万円13万円~15万円
工期1~2日3日(乾燥時間含む)

期待耐用年数

■ トップコート

  • 約3〜5年

紫外線や風雨の影響を直接受けるため、比較的短期間で劣化します。
定期的な塗替えが前提のメンテナンス層です。


■ ウレタン密着防水

  • 約10〜13年(施工条件により前後)

適切な施工と維持管理(トップコート再塗装)を行えば、長期的に防水性能を維持できます。


判断基準(どちらを選ぶべきか)

トップコートで対応可能なケース

  • 防水層が健全(ひび割れ・膨れがない)
  • 表面の色あせ・軽微な摩耗のみ
  • 雨漏りが発生していない

ウレタン密着防水が必要なケース

  • 防水層のひび割れ・膨れ・剥がれ
  • 雨漏りまたはその兆候がある
  • 10年以上メンテナンスしていない


使用材料(サラセーヌ仕様)

実務でよく採用される基本構成を以下に示します。


■ サラセーヌP(プライマー)

ウレタン防水の密着性を確保するための下塗材です。

  • 内容量:8kg
  • タイプ:強溶剤・1液
  • 塗布量目安:約26〜53㎡(1回塗り)
  • 価格:¥7,260(税込)

役割:下地と防水層の接着を安定させる


■ サラセーヌSB(ウレタン主材)

防水層を形成する中核材料です。

  • 内容量:16kg
  • カラー:ブルーグレー
  • タイプ:1液湿気硬化型(環境対応型)
  • 塗布量目安:約6.1㎡(SD工法・2mm厚)
  • 価格:¥13,970(税込)

特徴

  • 1液タイプで施工性が高い
  • 安定した膜厚形成が可能
  • 作業効率の向上(省力化)

■ サラセーヌT(トップコート)

防水層を紫外線や摩耗から保護する仕上げ材です。

  • 内容量:5kgセット
  • タイプ:強溶剤・2液
  • 塗布量目安:約25㎡(1回塗り)
  • 価格:¥8,910(税込)

役割:防水層の長寿命化と美観維持


施工の流れ

サラセーヌ密着工法の基本工程は以下の通りです。


1. 下地処理(ケレン・清掃)

  • 旧塗膜や脆弱部の除去
  • 汚れ・油分の除去
  • クラック補修

※密着工法では最重要工程


2. プライマー塗布(サラセーヌP)

  • 下地に均一に塗布
  • 吸い込みムラを防ぐ
  • 規定の乾燥時間を確保

3. ウレタン防水材塗布(1層目)

  • サラセーヌSBを使用
  • 均一な膜厚で施工
  • 立上り部・端部も丁寧に処理

4. ウレタン防水材塗布(2層目)

  • 所定膜厚(合計)を確保
  • 防水性能の安定化

5. トップコート塗布(サラセーヌT)

  • 紫外線保護
  • 美観向上
  • 劣化抑制

まとめ

サラセーヌを用いたウレタン密着防水は、

  • サラセーヌPで密着を確保し
  • サラセーヌSBで防水層を形成し
  • サラセーヌTで保護する

というシンプルかつ合理的な構成です。

各材料の性能を最大限に発揮するためには、適切な塗布量・乾燥時間・下地処理が不可欠です。施工精度がそのまま防水性能と耐久性に直結するため、工程管理を徹底することが重要です。

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