
断熱・遮熱塗料「ガイナ」とは何か
ガイナは、日進産業が開発した多機能型セラミック塗料です。メーカー公式サイトおよび製品カタログでは、断熱・遮熱・結露抑制・防音・消臭といった複合機能が示されています。
一般的な高日射反射率塗料が「反射」に主軸を置くのに対し、ガイナは中空セラミックビーズによる多層塗膜構造で熱移動そのものを抑制するという設計思想が特徴です。
ガイナの技術的背景と開発経緯
開発元である日進産業は、宇宙航空技術を応用した断熱技術を建築分野へ展開したと公表しています。
技術的ポイント
- 中空多層セラミックの高充填塗膜
- 遠赤外線放射特性
- 熱均衡化作用(表面温度安定化)
メーカー資料では、戸建住宅・工場・公共施設等への施工事例が紹介されています。
基本性能の整理(メーカー公開情報)
| 性能 | メカニズム |
|---|---|
| 断熱 | 熱移動の抑制 |
| 遮熱 | 表面温度上昇の緩和 |
| 結露抑制 | 表面温度の安定化 |
| 防音 | セラミック層による音エネルギー減衰 |
| 消臭 | セラミック特性による空気質改善 |
実際の温度データで見るガイナの性能
ここからが本題です。
メーカー公開の実測データや施工事例に基づき整理します。
■ 夏季:室内温度低減事例
ある建物の屋根・外壁施工事例では、
- 2階室内温度 最大約15℃低減
- 空調台数 4台 → 2台へ削減
- 10年間省エネ試算 約820万円
と報告されています。
技術的解釈
単純な反射だけではここまでの差は出ません。
重要なのは以下です:
- 塗膜表面温度の急激な上昇を抑制
- 熱侵入速度を遅らせる
- ピーク温度の平準化
つまり「最高温度を下げる」というより
温度変動幅を抑える挙動がポイントです。
■ 冬季:保温事例
メーカー事例では、
- 暖房停止後も室温10℃以上を維持
- 施工前は0℃近くまで低下していたケース
といったデータも紹介されています。
技術的視点
これは断熱材の代替ではありません。
- 遠赤外線放射特性
- 表面温度均一化
- 放熱速度の緩和
これらが体感温度の改善に寄与します。
■ 表面温度の均衡化(重要)
ガイナ塗膜は、
外気温に近い温度へ近づく性質がある
とされています。
結果として、
- 壁と空気の温度差が縮小
- 熱移動量が減少
- 結露発生リスク低減
が理論的に説明されています。
施工の流れ(メーカー仕様準拠)
① 下地調整
- 高圧洗浄
- クラック補修
- シーリング打替え
- 劣化部補修
性能以前に密着が最優先。
② 下塗り
下地別に指定プライマーを使用。
吸い込みムラは膜厚不足の原因になります。
③ 中塗り・上塗り(2回塗り)
重要ポイント
■ 徹底撹拌
セラミック沈降防止。
■ 規定塗布量厳守
薄塗り=性能低下。
■ 推奨ローラー使用
塗布均一性確保。
施工上の注意点(現場視点)
✔ 艶は基本「艶消し」
高光沢希望には不向き。
✔ 膜厚管理が最重要
㎡あたり使用量管理必須。
✔ 環境依存性がある
方角・屋根材・断熱材有無で効果差が出る。
遮熱塗料との技術的違い
| 項目 | 一般遮熱塗料 | ガイナ |
|---|---|---|
| 主作用 | 日射反射 | 熱移動抑制+遠赤外放射 |
| 表面温度 | 反射率依存 | 均衡化挙動 |
| 冬効果 | 限定的 | 保温寄与 |
| 塗膜構造 | 単層顔料系 | 多層セラミック |
向いているケース
- 2階が極端に暑い住宅
- 断熱改修が困難な既存建物
- 結露に悩む住環境
- 省エネ設備と併用を検討している建物
結論:データをどう解釈するか
メーカー公表の温度データは一定の説得力があります。
ただし、
- 測定条件
- 建物構造
- 気象条件
によって結果は変動します。
ガイナは「塗れば万能」ではありません。
しかし、
- 正確な下地処理
- 規定膜厚
- 環境条件を踏まえた施工設計
これらを守れば、
温度変動を抑制する機能性塗膜として合理的な選択肢になります。
ガイナの施工は難易度が高く、通常の塗料と違い塗る際に人数が必要になります。
断熱を希望される方にはおすすめの塗料です。



