
こんにちは。
今回は「難付着(なんふちゃく)サイディングボード」について、できるだけわかりやすくお話しします。
「うちの外壁、まだ粉も出てないしキレイだけど、塗り替えは必要なの?」
とご相談をいただくことが増えてきました。
実はその外壁、少し特殊なサイディングかもしれません。
2001年以降に広がった“新しい外壁”
外壁に付いた汚れを分解する光触媒や、色あせしにくい無機系ハイブリッド塗料などの技術が本格的に製品化されたのは、2001年以降です。
つまり、
- 2000年までに建てられた住宅
→ 従来のサイディングの可能性が高い - 2001年以降に建てられた住宅
→ 難付着サイディングの可能性あり
という目安になります。
なぜ「塗りにくい」のか?
塗料の多くは有機物です。
一方で、最近の高性能外壁には無機成分が多く含まれています。
簡単に言うと、
- 有機物は「有機物」にくっつきやすい
- 無機物は「無機物」にくっつきやすい
という性質があります。
難付着サイディングは、表面に無機成分が多く使われているため、
普通の下塗り材では密着しづらいのです。
こんな外壁は要注意
特に注意したいのが、いわゆる「高意匠サイディング」。
- 本物のレンガのようなデザイン
- 石目調など凹凸のある高級感ある外壁
- 築15年以上なのにチョーキング(白い粉)が出ない
- ラッカーシンナーで拭いても塗膜が溶けない
このような場合、難付着サイディングの可能性が高いです。
だからこそ下塗りが命
難付着サイディングに必要なのは、
無機と有機の両方に対応できる下塗り材
そこで使うのが、
無機と有機を組み合わせたハイブリッド型シーラーです。商品名はエスケーハイブリッドシーラーですね。
外壁の無機成分にはシーラーの無機成分が、
外壁の有機成分にはシーラーの有機成分がくっつく。
この仕組みで、はじめて塗装が成立します。
密着テストのやり方
私たちはクロスカット工法で密着試験を行います。
クロスカット工法とは
- 試験的に塗装
- 24時間乾燥
- 碁盤目状にカッターで切り込み
- テープを貼って剥がす
- 何%剥がれるか確認
基準はセロハンテープですが、
当社ではさらに強いガムテープで試験します。
実際のテスト結果
ある現場では、
「密着がいい」と言われているシーラーを3種類試しました。
結果はすべて、
テープ側に塗膜が付着。
つまり、密着していないということです。
ここでそのまま塗ってしまったら、
数年後に剥がれる可能性があります。
さらに一段階踏み込みます
調べていくと、
表面に「脆弱層(弱い塗膜)」が残っていることが分かりました。
そこで、
- 布ガムテープを全面に貼る
- しっかり転圧
- 一気に剥がす
これを繰り返し、弱い層を除去。
その上で専用シーラーを再度テスト。
すると、
今度はしっかり密着しました。
塗装は「塗る前」が一番大事
一見、塗り替えは
「古い色の上に新しい色を塗るだけ」
に見えるかもしれません。
でも実際は、
塗る前の判断と実験がすべて
です。
10年保証の理由
私たちは、使用する塗料に関わらず10年保証をお出ししています。
それはお客様のためでもありますが、
実は私たち職人が安心して工事するためでもあります。
密着テストをしない塗装と、
きちんと検証してからの塗装。
安心感はまったく違います。
最後に
「まだキレイだから大丈夫」
「粉が出ていないから安心」
そう思われるお気持ち、よく分かります。
でも、難付着サイディングの場合は
見た目では判断できないこともあります。
気になる方は、まずは診断だけでも構いません。
無理な営業はしませんので、
どうぞお気軽にご相談ください。
外壁はお家を守る大切な部分。
しっかり確認して、納得してから進めましょう。



