
外壁塗装の「塗布量」の基本
― 見積りの㎡単価より大事な話 ―
外壁塗装で一番トラブルになりやすいのが
「ちゃんと塗っているのか分からない」問題です。
結論から言うと、判断基準はシンプルです。
塗料は“㎡あたり何kg(または何L)使うか”が決まっている。
これが**塗布量(標準使用量)**です。
1. 塗布量とは何か?
塗料メーカーのカタログには必ず、
- 標準塗布量(kg/㎡)
- 施工回数(2回塗りなど)
が明記されています。
例えば、
- 0.30~0.40 kg/㎡(2回塗り合計)
と書いてあれば、
1㎡あたりその量を使わないと本来の性能が出ません。
これはどのメーカーでも共通ルールです。
2. なぜ塗布量が重要なのか?
塗料の性能は「色」ではなく
- 膜厚(塗膜の厚み)
- 樹脂量
- 充填材の密度
で決まります。
塗布量が不足すると:
- 耐久年数が短くなる
- ひび割れしやすい
- 変色が早い
- 防水性が落ちる
つまり、
薄塗りは見えない手抜きになりやすいのです。
3. 外壁塗布量の基本計算方法
ここが一番大事です。
■ 基本式
必要塗料量 = 外壁面積 × 標準塗布量
■ 具体例
外壁面積:150㎡
標準塗布量:0.35kg/㎡(2回塗り合計)
150㎡ × 0.35kg = 52.5kg
つまり、
最低でも約52.5kg必要
18kg缶なら:
52.5 ÷ 18 ≒ 2.9缶
→ 実際は 3缶以上必要
これが計算の基本です。
4. 「延べ床面積」とは違う
よくある誤解:
30坪の家だから30坪分?
違います。
延べ床面積ではなく、
実際の外壁の展開面積で計算します。
一般的な目安:
| 延べ床面積 | 外壁塗装面積の目安 |
|---|---|
| 30坪 | 約120~160㎡ |
| 40坪 | 約150~200㎡ |
※形状や凹凸で変わります。
5. 吸い込みのある壁は増える
- モルタル
- ALC
- 劣化サイディング
は塗料を吸います。
その場合:
- 規定量より多く必要になる
- 下塗り材が増える
つまり、
見積りで極端に材料が少ないのは要注意
6. チェックポイント
✔ 外壁150㎡なのに上塗り2缶だけ
✔ 「一式」表記だけ(量が少ない場合や材工分離は別)
正しい見積りは、
- ㎡数
- 塗布量
- 使用缶数
が論理的に合っています。
7. エンドユーザーが確認できるポイント
塗装後でも確認できることがあります。
■ 空き缶の確認
使用缶数が合っているか。
■ 写真管理
塗布中の写真があるか。
■ 工程管理
何回塗りか明確か。
8. 安い見積りの仕組み
価格差の多くは:
- 足場差
- 人件費差
- 塗布量削減
です。
特に最後が危険。
塗布量を減らすと、
- 原価が下がる
- でも耐久も下がる
10年持つはずが7年になると、
結局割高になります。
まとめ
外壁塗装で一番大事なのは、
「何回塗るか」より
「規定量を使っているか」
です。
塗料は化学製品。
決められた膜厚で初めて性能が出ます。
見積りを見るときは、
- ㎡数
- 使用缶数
確認してください。
分からなければ業者にこう聞いてください。
「この塗料、㎡あたり何缶使いますか?」
答えられない業者は、少し警戒した方がいいです。
ざっくり、上塗りは50㎡で1缶が目安です。下塗りは100㎡が目安です。サーフは30㎡程度。
それは屋根も壁も付帯部もほぼ同じです。



